NVIDIA DRIVE PX2/AGX対応

カメラエミュレーションシステム

 NVIDIA社 の AI 車載コンピューティング プラットフォーム

   NVIDIA社のDRIVE PX2/AGX は自動運転車向けのスケーラブルなコンピューティング プラットフォームです。
   カメラ、レーダー、ライダーからのデータを処理して周囲の環境を認識し、地図に合わせて車両の位置推定を行い、安全な経路を計画し実行することが可能で、自動運転、車室内向け機能、ドライバー モニターなどの安全機能をサポートします。
   自動車業界では自律運転技術の確立を急いでいる分野であり、レベル2の運転支援から完全自動運転のレベル5まで、拡張可能なアーキテクチャの互換性があるプラットフォームを実現するためにDRIVE PX2/AGXは開発されました。
   ディープラーニングによるAI技術を用いた安全な自動運転の実現に向けて開発が進められています。

NVIDIA製DRIVE PX2/AGX向けカメラエミュレーションシステムとは?

   NVIDIA社のDRIVE PX2/AGXはカメラの入力仕様がGMSL/GMSL2となっています。そのためカメラをつなげてリアルタイムに映像を入力してデバッグする手法でしか映像を検証する方法がありません。
   そこで弊社のパラレルジェネレータSVOとGMSLシリアライザボードを使うことで、 PCからの映像を出力しやすいHDMIからGMSLに変換し、DRIVE PX2/AGXにカメラの代わりに入力することが可能です。
   シミュレータで生成したリアルタイムレンダリングの映像をDRIVE PX2/AGXに直接入力することによる仮想環境を利用することで、実車での走行を減らして経済的、かつ効率的に自律走行用のハードウェアやソフトウェアのテストと検証を安全かつ正確に行えるようになります。

自動運転のバーチャルなシミュレーション環境を構築

※構成図は一例です。接続内容・状況に応じて、変更になります。

   この図がDRIVE PX2/AGX用カメラエミュレーションシステムの構成図となります。
   4kサイズのモニタ画面上に各カメラの有効画素に該当する映像ソースを配置し、グラフィックボードの切り出し機能を使ってHDMI経由で各映像をPCから出力します。
   その映像にEmbedded Line を含む解像度とカメラのPCLKと同じタイミングに変換してGMSL形式でDRIVE PX2/AGXに入力します。
   これにより最大カメラ8台に相当するカメラエミュレーションが可能となります。

SVO-03 + GMO-96705

   この図はSVO-03とGMO-96705-Fの動作説明となります。
   PCからの映像をNVIDIA製のグラフィックボードからHDMI経由で取り込みますが、この際にまずRGB24の映像信号をカメラのBayerフォーマットに合わせてRAW12bit形式に変換します。
   次にNVIDIA社製のグラフィックボード間で同期をとるSYNC機能を使い、各ボードからのHDMI 入力が同期化されており、各ボードのFSYNCが同一タイミングであるときにDRIVE PX2/AGX に出力される映像が同期化されるように再同期の処理を行います。
   またカメラ映像の代わりに用意する映像のアクティブデータの上下のEmbedded Lineの部分にDRIVE PX2/AGX側のドライバが適切に動作するようデータを埋め込みます。
   SVO-03に取り付けたGMO-96705-FではAnalog Devices社(旧Maxim社)のシリアライザICのMAX96705をつかってGMSLの形式に変換します。そしてDRIVE PX2/AGX側のデシリライザICから送られてくるバックチャネル通信に対応するためにPIC マイコンを搭載し、I2Cスレーブ機能を実装することで、 DRIVE PX2/AGX側からカメラへのコマンドに対して応答する機能を実装しています。

パラレルジェネレータSVO-03

   SVO-03はUSB 3.0 またはHDMI経由で入力される映像信号を パラレル信号に変換するためのボードです。
   USBモードとHDMIモードはDipSWで変更できます。
   USBモードではPC に保存された非圧縮 .avi ファイルもしくは .frm ファイルを パラレル映像信号に変換して出力します。出力ピクセルフォーマットはYUV4:2:2 8bit, Raw10, Raw12, RGB24に対応します。
   HDMIモードではHDMI コネクタから入力されたRGB24信号を RAW12bitまたはYUV422 8bitに変換して出力します。HDMI レシーバとして動作しますのでレシーバが対応する解像度やタイミングを HDMI トランスミッタ に通知するために、EDID (Extended Display Identification Data) の設定が必要となります。

GMSLシリアライザボード GMO-96705-F

   GMO-96705-FはAnalog Devices社(旧Maxim社)のシリアライザICであるMAX96705を搭載したSVO-03向けのオプションボードとなります。
   パラレル形式で入力された映像信号を GMSL 信号に変換するための基板です。FAKRA 規格の同軸出力コネクタとカメラの I2C エミュレーション用に PIC マイコン (PIC16LF1825) を実装しており、I2C コマンド応答を含めた動作が可能です。
   SVO-03 基板と組み合わせることで、GMSL カメラのエミュレーションなどに応用が可能です

注意事項:記載された商品名、社名は各社の商標です。本資料は仕様変更の為予告なく変更する場合があります。