エレベーターの災害時における危険性


現在、日本全国で約120,000棟(2005年8月末現在)のマンションがありその後も増え続けています。また、商業ビルを含めると無数のエレベーター装備の建築物が存在しています。

プレート境界地震 ご存知のように2011 年3 月11 日午後2 時46 分ごろに発生した東日本大震災は、三陸沖を震源に国内観測史上最大のM9.0 の大地震でした。千年に一度の大地震で、各地に大きな被害をもたらしました。
エレベーターの運転停止は約3万件(FUTURE DESIGN 2011 vol28より)、また、国土交通省は地震により東北や関東、中部地方の11都県で計210台のエレベーターが停止し乗っていた人が閉じこめられたと発表しています。

当事務所(神田須田町)の揺れ

東日本大震災震源 地震当時、弊社が入居していたビル《神田セントラルプラザビル:鉄筋コンクリート(RC工法)1979年01月築、地上13階建》は、法律関係の事務所が多く、書籍類が多い為、殆どの事務所で本棚が倒れたとの事です。
弊社の事務所では、組み立て式の机が2台壊れ、縦型のエアコンが倒れるのを手で支えていました。
地震対策済みのエレベーターでしたので、直ぐに最寄り階に停止したようです。エレベーターの復旧は作業員がリセットするまで復旧しないシステムになっており、当ビルは翌日の土曜日まで、エレベーターは復旧していませんでした。
この停止により、私達は8階の事務所から地上まで8往復することになりました。

防災備蓄品の重要性

帰宅難民になって、一番役に立ったのは簡易毛布でした。防災・キャンプ用のブランケットでしたが、夜暖かく寝ることができました。
直下型地震ですと、P波検知システムは動作しない仕組みのため、エレベーター閉じ込めにあった場合の、防災備蓄品の重要性を再認識しました。


全エレベーターに地震感知器設置へ閉じ込め防止図る:国土交通省

地震時管制運転システムは、揺れが早く伝わる初期微動(P波)を事前に地震感知器などにより検出して、エレベーターを最寄りの階へ緊急停止させてドアを開き安全確保を行うシステムです。このシステムは発生した地震を察知して動作するシステムですので、首都圏で予想されている直下型地震では機能しません。また、高額なシステムの為、導入が進んでいないのが現状です。しかし、国土交通省が補助制度を設ける考えの様です。概要は以下になります。


「全エレベーターに地震感知器設置へ 閉じ込め防止図る:国土交通省」

国土交通省は、東日本大震災により東北や関東、中部地方の11都県で計210台のエレベーターが停止し乗っていた人が閉じこめられたと発表しました。特に老朽化したマンションのエレベーターに住民が閉じこめられる事例が続出し、エレベーター製造大手の把握している都内分のデータに限っても、65件の閉じこめ事故がありました。
これらの閉じ込め事故により、国土交通省は、既存のすべての建物のエレベーターに地震感知システムの設置を求める方針を固めました。揺れを感知するとエレベーターを最寄りの階まで動かして止め、ドアを開けるシステムです。国内で稼働するエレベーターのうち、すでに設置済みのものなどを除く約93%、65万台程度が対象になります。あわせて、ドアが開いたままエレベーターが動くのを防ぐ戸開(とかい)走行防止装置の設置も求めます。
二つのシステムを設置するには計300万円程度かかるため、国土交通省は2012年度から機器の導入に補助制度を設ける考えで、国と自治体が費用の3分の1ずつを補助する案を検討するとの事です。


復旧作業員の不足

工事
日本エレベーター協会によると、協会に加盟するエレベーターメンテナンス会社が 管理するのは首都圏で約22万7,000基あります。復旧に関わるエレベーター作業員は、都内だけで約2,600人が従事しています。この人数では、災害時における復旧作業員の絶対数が不足していることになります。
2011年3月11日:東日本大震災関東地方震度5強/1都3県の実績では、176基閉じ込めトラブルが発生し、ほとんどのエレベーターが停止(約30万基)しました。東京都内では、84件の閉じ込めが発生し、救出までの時間は最大で9時間以上必要でした。
2005年7月23日:関東地方震度5/1都3県実績では、78基閉じ込めトラブルが発生し、64,000基が停止しました。建物被害はほとんどありませんでしたが、作業員不足により24時間弱閉じ込められました。
政府の中央防災会議が行った予測では東京湾北部地震の際、マンションのエレベーターは18万基停止し1,500人 商業ビルで12万基停止し1万1,000人、合わせて30万基、1万2,500人の閉じ込め被害を想定しています。

エレベーター内にも備蓄を

エレベーター閉じ込め エレベーターという密室に長時間閉じ込められる可能性があることを考えると、エレベーター内に、長時間やり過ごすための防災備蓄という発想があってもいいように思えます。
気分が悪くなってしまう人、トイレに行きたい人も出てくる可能性があります。満員の状態で、停止したままになることを考えると、深刻さが分かります。
こうした修羅場を回避するためには、ラジオやライト、水、菓子、簡易トイレや簡易毛布などをエレベーターに設置しておくなどの備蓄は大変有効な手段となります。

出典:日本エレベーター協会、内閣府:都市型震災対策関係省庁局長会議、東芝エレベーターより


*弊社では昇太郎の売り上げの一部を、東日本大震災復興への活動に随時寄付しております。

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